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理事長挨拶
理事長  田平 武 (順天堂大学大学院医学研究科客員教授)
 多発性硬化症(MS)は欧米人に多く、若年成人に多い神経疾患です。幸いわが国やアジア諸国では比較的少ない病気ですが、わが国ではこの半世紀で3倍に増加しています。視力障害や手足の麻痺などが急に起こり、再発を繰り返します。また、視神経と脊髄に重篤な病変が起こる視神経脊髄炎(NMOSD)はMSの一部とみなされてきましたが、発症機序や治療法が異なることが分かってきました。しかし、両者は類似性も高く、MS/NMOSDとして支援の対象としています。
 幸い研究の進歩により急性期の病態を軽減し、再発回数を減らす薬が開発され、患者さんの予後はかなり改善されてきましたが、完全に病気を抑え込むまでには至っていません。また、再発を繰り返すうちに病気が徐々に進行し様々な脳機能障害を起こすことも分かってきました。そのため厚労省はMS/NMOSDを難病に指定し、医療費補助などが行われています。
 当協会は社会の広いご理解を得て認定NPO法人化され、税法上の優遇措置の下ご芳志を集めてこの難病の1)研究推進、2)新しい研究成果や治療法の広報活動および患者さんの支援、3)世界MS協会連合と連携した国際協力活動の3つを主たる目的として活動しております。皆様のより一層のご理解、ご支援を賜り目的達成に向けて活動を続けて参りたいと思いますので、宜しくお願い致します。